フリーランス(個人事業主等)に業務を委託している企業の契約担当者にとって、契約終了の手続きは慎重に行う必要があります。特に 2024年11月施行の「フリーランス新法」(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)により、発注者側には契約終了時にも新たな義務が課されています。契約終了の方法を誤ると、金銭トラブルや信頼関係の悪化、法令違反による行政指導等のリスクがあります。本コラムでは単発型の契約継続型の契約いずれの場合も踏まえ、契約終了の理由ごと(契約期間の満了、任意解約、契約違反による解除)に分けて、通知のタイミング、報酬精算、成果物や情報の取り扱い、秘密保持や競業避止義務、損害賠償、書面交付義務などのポイントを、行政書士の視点から法令に準拠して解説します。

契約期間満了による契約終了の場合

契約書で定めた契約期間が満了し、その期日をもって業務委託契約を終了するケースです。単発のプロジェクト契約など当初から終了日が決まっている契約では、契約満了により自然に契約関係が終了しますが、更新条項のある契約や長期の継続契約では、事前の手続きが必要になる場合があります。以下の点に注意しましょう。

  • 終了の事前通知(更新の有無): 契約期間満了によって契約終了とする場合でも、契約が自動更新の定めになっている場合や、長期にわたり継続してきた取引の場合は、更新しない旨を事前に通知する必要があります。特に6ヶ月以上続いた業務委託契約については、フリーランス新法第16条に基づき、契約満了日から少なくとも30日前までに更新しない旨を相手に書面(電子メール含む)で予告しなければなりません。例えば1年契約で更新しない場合、契約終了の1ヶ月以上前に「今期で契約終了とする」ことを伝える義務があります。この予告を怠ると同法違反となる恐れがあるため注意してください(違反時は公正取引委員会や厚労省による指導・公表等の対象となり得ます)。6ヶ月未満の短期契約の場合や、ごく当初から更新を前提としない契約の場合には法定の予告義務はありませんが、契約書に別途通知期限の定めがあればそれに従い、定めがない場合もトラブル防止のためできるだけ早めに更新しない旨を伝えることが望ましいでしょう。
  • 報酬の精算: 契約期間満了に伴い最後の業務成果物の納品・検収が行われたら、契約で定めた報酬の支払い手続きを速やかに行います。フリーランス新法第4条では、報酬の支払期日を原則成果物を受領した日から60日以内のできるだけ短い日に定め、その期日までに支払う義務が規定されています。したがって契約最終日の納品物を受領した場合、支払条件が「検収後◯日以内」など契約書に定めてあるか確認し、遅くとも受領日から60日以内には最終支払いを完了させましょう。締め支払い(月末締翌々月末払い等)で60日を超える場合は法律違反となるため、社内の経理処理サイクルも見直す必要があります。契約満了で終了する場合、特に追加の損害賠償などは通常発生しませんが、未払報酬があれば清算し、経費精算や源泉徴収事務なども漏れなく行います。
  • 成果物・資料の引渡し: 単発契約であれば最終納品物が契約成果となるため、納品物の受領および検収の完了をもって双方の業務遂行義務は終了します。納品物に不備がないか最終確認し、必要に応じて検収確認書受領書を交わしておくと安心です。また成果物に関する知的財産権の譲渡や利用許諾について契約書で定めている場合は、契約終了後に確実に権利移転・利用許諾がなされるよう手続きします(報酬支払いをもって自動的に著作権譲渡とする条項が多いですが、条項を再確認してください)。継続型契約の場合も、契約終了にあたり作業途中のデータや記録の引渡しが必要なことがあります。契約期間中にフリーランスに預けていた機材や資料があれば速やかに返却してもらいましょう。
  • 秘密保持・競業避止義務: 秘密保持契約(NDA)条項が契約書に含まれている場合、契約終了後もその義務が継続することが通常明記されています。契約期間満了で取引が終わっても、フリーランスには業務を通じて知り得た機密情報を漏えいしない義務が引き続き課されます。必要に応じて契約終了時に改めて機密情報の返却・廃棄を依頼し、守秘義務が存続する旨を確認しておくと良いでしょう。また、契約によっては競業避止義務(契約終了後一定期間、競合する業務に従事しない等)が定められている場合もあります。そのような条項がある場合には、契約終了後もフリーランスが契約上の制限を守る必要があるため、終了時に該当条項を双方で再確認してください。ただし競業避止義務は内容が広範すぎると公序良俗違反となる可能性もあるため、条項設定自体をフリーランス新法の趣旨(フリーランスの事業継続への配慮)も踏まえて妥当な範囲にすることが望まれます。
  • 書面での手続き: 契約期間満了に際し特段のトラブルがない場合でも、契約終了の事実を明確化する書面を残すことが望ましいです。例えば「契約期間満了に伴う業務完了のお知らせ」などとする簡単な書面やメールで構いませんので、契約が円満に終了したこと、最終報酬を支払うこと、今後は契約更新しないこと等を相手に通知し、記録に残しておきます。フリーランス新法対応としては、前述の通り更新しない場合の30日前予告を書面等で実施することが必須です。発注者側はその通知書の控えを保存し、必要に応じて行政機関への説明に備えてください。また、もしフリーランス側から「なぜ契約更新しないのか理由を知りたい」と求められた場合、遅滞なく理由を書面で開示する義務も同法で定められています。円滑な取引終了のためにも、契約終了に至った経緯や理由は口頭でも構いませんので誠実に説明し、必要であれば文書化しましょう。

発注者都合による任意解約(途中解約)の場合

契約期間の途中で発注者の任意の都合により契約を終了するケースです。業務内容の変化や経営上の理由で契約期間満了前に打ち切りを検討する場合、法的には注意が必要です。契約書の中途解約条項をまず確認し、定めがない場合でも民法等の規定に則って進める必要があります。以下の点を解説します。

  • 契約上の解約権と予告期間: 契約書に「○○日前の書面通知により中途解約できる」等の条項があれば、その条件に従って解約手続きを進めます。例えば1ヶ月前通知で解除可とあれば、少なくとも1ヶ月前までに書面で解約の意思表示を行います。この場合でも、取引期間が6ヶ月を超えている場合にはフリーランス新法の規定により30日前までの予告が必要となるため、契約条項が30日未満の予告期間しか定めていないときは法律を上回る30日以上前に通知することが求められます(契約書の内容も新法に合わせて見直しておくべきポイントです)。一方、契約書に中途解約に関する定めがない場合、法律上は契約類型によって対応が異なります。請負契約(成果物の完成を目的とする契約)の場合、民法642条により発注者は仕事完成前であればいつでも契約を解除できますが、その際には受注者(フリーランス)の被った損害を賠償しなければなりません。準委任契約(継続的な役務提供を目的とする契約)の場合も民法651条で原則として途中解約が自由とされていますが、相手方に不利な時期の解約は損害賠償責任を負う可能性があります。いずれの場合も、正当な理由のない一方的な打ち切りはフリーランスに経済的損失を与えるため、できるだけ早めに解約の意向を伝えて協議し、合意解除(双方合意の上で契約を終了)に持ち込むことが望ましいでしょう。双方合意で終了する場合はフリーランス新法上の30日予告義務の適用対象外ですが、いきなり当日で契約終了というような急な通告は避け、誠意ある対応に努めてください。
  • 途中終了時の報酬精算: 任意解約する場合、それまでに発生した成果に対する報酬を清算する必要があります。請負契約の途中解除では、原則として完了した業務部分に応じた報酬額を支払い、不当に作業分を支払わないということがないようにします。既に出来上がった部分の成果物があるなら、その範囲については契約どおり報酬を支払い、まだ着手していない部分の報酬支払いは免除されるのが通常です(契約や状況によっては一部キャンセル料の支払いを約するケースもあります)。準委任契約の途中終了であれば、解約日までに提供された役務の対価を精算します。例えば月額料金制の契約を月半ばで終了する場合、その月の利用期間に応じ日割計算や月途中解約時の精算方法を契約書に沿って計算します。注意すべきは、発注側の都合で予定より早く終了させる以上、フリーランスに何らかの不利益(収入減少)が生じる点です。可能であれば解約に伴う補償として、契約書に定めがなくとも一時金や違約金を支払うことで円満に合意することも検討してください。フリーランス新法の趣旨も踏まえ、弱い立場のフリーランスに一方的な負担が及ばないよう配慮することが重要です。
  • 途中終了の場合の成果物・資料の扱い: 契約途中で終了する際、成果物の完成前であれば未完成のアウトプットや資料の扱いを明確にしましょう。例えばデザイン制作の途中段階まで進んでいた場合、その時点までの成果物データを受領するかどうかを決めます。受領して自社で続きを完成させる場合は、その利用範囲や著作権の帰属についてフリーランスと合意を取ります(必要に応じて追加の著作権譲渡契約を締結)。一方、未完成物を受け取らずに新たな委託先に一から作り直す場合でも、参考のため成果物に関連する資料や帳票類は回収しておいたほうがよいでしょう。いずれにせよ、契約終了後にフリーランスが保有すべきでない機密資料やデータがあればすべて返却・削除してもらうよう手続きを行います。また、クラウドサービスのアカウントや権限を付与していた場合は、契約終了時にアクセス権を停止することもお忘れなく。途中終了でも、基本的な資産や情報の引き上げ作業は契約満了時と同様に実施してください。
  • 秘密保持・競業避止義務: 任意解約により途中終了する場合でも、秘密保持契約上の義務は継続します。特にプロジェクトの途中で終了すると、未公開の企画や開発途中の内容など機密情報がフリーランス側に残ることがあります。契約終了時に秘密情報の返却・削除証明を求めたり、今後その情報を利用・開示しない旨を再確認することが大切です。競業避止義務については、契約書でフリーランス側に課している場合は引き続き有効ですが、任意解約のケースでは発注者側から一方的に契約を切られた形にもなるため、あまりに広範な競業避止条項を強硬に適用するとフリーランスの生計を脅かし紛争に発展する可能性があります。実務上は、競業避止義務の範囲内であってもフリーランスの今後の活動に必要以上の制約を与えないよう配慮し、場合によっては競業避止期間の短縮や対象範囲の緩和を検討することもあります。いずれにせよ契約書に基づく義務は双方が遵守する必要があるため、終了通知の際に該当条項を引用し注意喚起するとよいでしょう。
  • 損害賠償リスクへの注意: 発注者都合で契約を途中終了する場合、フリーランスから損害賠償請求を受けるリスクも念頭に置く必要があります。特に契約上中途解約が想定されておらず、急な打ち切りによってフリーランスが予定していた収入を失った場合などに「逸失利益」や「キャンセルによる損失」として請求がなされる可能性があります。民法上も前述のとおり請負・準委任いずれの類型でも不当に時期の悪い解約には賠償責任が発生します。トラブル防止のため、解約の申し入れ時には相手の損失をできるだけ軽減する方策(代替案件が見つかるまで一定期間は業務を継続すると提案する、解約金を支払う等)を検討し、できれば合意解約書を取り交わして「これ以上お互い請求しない」旨を明文化しておくことが望ましいです。合意書が難しい場合でも、こちらから提示した補償内容や相手の同意を得た経緯はメール等で記録を残し、後日の紛争に備えてください。
  • 書面での通知と手続き: 任意解約を行う際は、必ず書面または電子メールで解約の意思表示を行うようにします。電話や対面で口頭合意していた場合でも、後日「言った/聞いていない」の争いを避けるため、書面で解約通知書を発出しましょう。通知書には契約を○年○月○日付で終了したい旨その理由(発注者側の業務都合など)を書き添え、解約日(最終業務提供日)や清算方法について明確に記載します。フリーランス新法第16条の適用場面では、この通知を契約解除日の少なくとも30日前までに出すことが法律上求められます(急な解約通知は法律違反となり得ます)。また、一方的解除の通知後、フリーランスから理由開示を求められた場合には、速やかに文書でその理由を説明しましょう。なお、双方合意で契約終了する場合は、合意解約書覚書を交わし、「契約を双方合意により〇月〇日付で終了する。未払い報酬○円の支払いをもって債務の清算とし、その他一切の債権債務を放棄する」等の内容を取り決めておくと安心です。書面による手続きを適切に行うことで、後日の誤解や法的トラブルを未然に防ぐことができます。

フリーランス側の契約違反による解除(発注者からの解約)の場合

フリーランス(受託者)の債務不履行や契約違反行為を理由に、発注者が契約を解除するケースです。納期遅延や成果物の品質不良、秘密保持違反など重大な契約違反が発生した場合、契約者としては契約継続が困難となるため契約解除(契約の一方的な終了)を検討します。この場合でも、法的手続きや注意点を踏まえて慎重に対応する必要があります。

  • 契約違反の確認と是正要求: まずフリーランスの行為が契約上の義務に違反していることを客観的に確認します。契約書に定めた納品期限を過ぎても納品がない、明らかな品質基準未達、許可なく第三者へ再委託した、機密情報を漏洩した等、契約違反の内容を特定します。その上で、契約に違反是正の手続き(催告条項)がある場合はそれに従い、例えば「◯日以内に履行せよ、さもなくば契約解除する」と書面で通知します(民法541条の催告解除の原則に沿った対応です)。是正要求をしても改善されない場合、または違反が重大かつ是正不能な場合(例:重大な信用失墜行為や秘密漏洩等)は、契約書の解除条項(民法542条に基づく無催告解除事由など)に従って催告なしで直ちに契約解除することが可能です。解除に踏み切る際は、後日の紛争に備え違反の事実を示す証拠(メールの記録や成果物、第三者の証言等)を整理・確保しておきましょう。
  • 解除の通知方法と理由明示: フリーランスの違反に基づき契約解除する場合でも、解除の通知は書面で行うことが原則です。内容証明郵便や署名付き電子メールなど、証拠が残る形で契約解除通知書を送付します。通知書には契約を解除する旨とその理由(具体的な契約違反の内容)を明記します。フリーランス新法第16条は発注者による一方的な中途解除の30日前予告義務を定めていますが、相手方の債務不履行に起因する「契約解除」は「発注者の一方的都合」による解除ではないため、この30日予告の適用外と考えられます(労働契約の解雇予告における「解雇予告除外事由」と同様、相手方の重大な落ち度による解除は直ちに可能です)。もっとも、契約違反が軽微な場合や解釈に争いがある場合に予告なしで解除すると、フリーランス側から「一方的な契約打ち切りだ」と主張されトラブルになる可能性があります。安全策としては契約解除通知前に是正の機会を与える、あるいは合意解約に持ち込む努力も検討すべきです。解除通知を出す際には、契約違反の具体的事実(日付や回数、該当条項)を列挙し、本通知をもって契約を終了すること、〇年〇月〇日をもって業務提供を受け付けないこと等を明示しましょう。
  • 報酬支払いと損害賠償請求: 契約違反による解除の場合、報酬の支払い可否は状況に応じて判断します。既に受領した成果物に致命的な欠陥があり使用できない場合や、成果物自体が納品されていない場合、発注者は報酬支払義務を拒絶または減額できる可能性があります(民法536条の趣旨に基づく履行不能・不完全履行の場合の報酬請求権喪失など)。契約書に「納品物検収合格を支払条件とする」といった条項があればそれに従います。不良品や未納品に対して既に一部前払いしている報酬があれば、その返還を請求することも検討します。一方で、フリーランス側に帰責事由のある契約解除であっても、発注者が受領済みの有用な成果(例えば一部機能が完成しているプログラムなど)を引き続き利用する場合には、その部分の対価は支払うのが原則です。成果物の利用範囲と報酬支払いの有無については契約解除時に相手と書面で確認し、不払いや権利処理漏れによる後日の紛争を避けましょう。また、フリーランスの違反によって発注者が損害を被った場合(納期遅延により自社がクライアントへ違約金を支払った等)は、その損害の賠償をフリーランスに求めることができます。契約書に損害賠償条項や違約金条項があればその定めに従い、なければ民法415条に基づき実際の損害額を請求する形になります。損害項目や金額を客観的に算出し、可能であれば示談交渉で合意に達することが望ましいです。裁判となれば証拠や因果関係の立証が必要になり時間コストもかかるため、相手に違反を認めさせた上で賠償額の妥協点を探るのが実務的です。
  • 解除後の成果物・情報の取り扱い: 契約違反で終了した場合でも、受領済みの成果物や提供済みのデータについて整理が必要です。先述のように利用可能な部分は今後も使うなら契約上の権利処理(著作権譲渡の完了やライセンス許諾)を確認します。逆に欠陥品で使用しない場合は、データや物品を速やかに廃棄または返却し、フリーランス側にもコピーやバックアップの削除を求めます。特に途中までのソースコード等を他社に引き継いで改修する場合、フリーランスとの間で当該コードの権利帰属や利用許諾条件をクリアにしておかないと、後日著作権紛争が起きる可能性があります。知的財産権の処理は法律専門職の助言を受けつつ慎重に行いましょう。また、クラウド上のプロジェクトフォルダや共有ドキュメントからフリーランスのアクセス権を削除することも忘れずに行います。解除後は信頼関係が損なわれている状態ですので、情報管理は徹底し、必要に応じて関係者への周知(社内担当者や関連するクライアントに対し、当該フリーランスとは契約終了した旨を伝えるなど)も行います。
  • 秘密保持義務の再確認: トラブル終了時こそ、秘密保持義務の遵守を厳格に求める必要があります。不本意な契約解除となったフリーランスが、報復的に社外へ情報を漏らすリスクもゼロではありません。契約書の守秘義務条項を引き合いに出し、契約終了後もあらゆる知得情報を漏洩・利用しない義務があることを強調した通知書を別途送付することも検討してください。必要であれば違反時の制裁(損害賠償請求や差止め請求)の可能性にも言及し、牽制します。またフリーランス新法の禁止行為規定にも照らし、フリーランス側に非がある場合でもハラスメント的な過度の追及や公表は避け、あくまで法的範囲内で冷静に対応しましょう。競業避止義務についても、契約違反をした相手であっても契約で定めた範囲以上の活動制限を課すことはできません。契約上有効な競業避止条項があるなら粛々と適用しつつ、違反による損失拡大を防止する対策(例えば顧客情報を変更する等)も講じます。
  • 解除の書面対応と記録: 契約違反による解除の一連のやり取りは、必ず書面に残すようにします。解除通知書や催告書、違反内容をまとめた報告書など、証拠となる文書を作成・送付し、相手からの回答や提出物もすべて保管します。フリーランス新法では違反理由の開示請求があれば遅滞なく開示する義務がありますが、契約違反による解除の場合は通知書自体に詳細な理由を記載しているはずです。後日万一訴訟や行政機関からの問い合わせになった際に備え、契約書・やり取りメール・通知書の控え等を一式ファイリングしておきましょう。また、解除に関して社内決裁や弁護士等専門家の確認を得た場合、その記録も残してコンプライアンス体制の一環としておくことをお勧めします。

まとめ

フリーランスとの業務委託契約を終了する際には、契約終了理由ごとに上記のような法的・実務的注意点があります。フリーランス新法の施行により発注者側の責任が明確化されたことで、特に6ヶ月以上の継続契約を終了する場合の30日前予告や書面交付義務、報酬の速やかな支払いなど、守るべきルールが増えています。契約担当者は自社の契約書を新法に適合させるとともに、個々の契約終了時にも契約書の定めと法令の双方を遵守した対応を心掛けましょう。

契約期間満了による終了であれ、途中解約や違反解除であれ、基本は書面による通知と記録の保存、そして公正な精算と権利義務整理です。当事者間で認識違いを残さないよう丁寧にコミュニケーションを図り、必要に応じて行政書士など専門家に相談しながら手続きを進めてください。適切な契約終了手続きを踏むことで、フリーランスとの取引を円満に完了させ、貴社のコンプライアンス順守と信頼構築に繋げることができるでしょう。